世界3大奇勝、地球の営みに、その雄大な姿に圧倒される瞬間東尋坊
断崖に日本海の荒波が打ち寄せる景色で知られる国指定名勝東尋坊。約1キロメートルにわたり豪快な岩壁が広がっています。
このような輝石安山岩の柱状節理が広範囲にあるのは、世界に3ヵ所ともいわれ、地質学的にも大変貴重な場所です。
初夏のまばゆいばかりに広がる青い空と日本海、秋の頃の日本海に太陽が沈み行く夕景、
雪が舞う頃の荒々しい波と吹きつける寒風。どれも東尋坊と日本海の大自然が見せてくれる、四季折々の素晴らしい風景です。
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東尋坊のいわれ「東尋坊の由来」
※暴僧の東尋坊
その昔、奥越(福井県東部の山間エリア)に、僧兵を有して隆盛を極めていた「平泉寺」(へいせんじ)という寺がありました。
僧兵の中には、極悪非道の振舞いで、近郷の民百姓を大変苦しめていた者もおり、その旗頭であったといわれる暴僧が「東尋坊」でした。
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あや姫をめぐる東尋坊の悲劇
東尋坊には「あや姫」という娘をめぐる恋のライバル「真柄覚念」(まがら かくねん)がいました。
1182年4月、平泉寺の僧兵数十人が東尋坊を訪れ、酒盛りをしていたとき、真柄覚念は東尋坊に絶壁の上で酒や肴をすすめ、泥酔させ、隙を見て絶壁の海へ突き落としてしまいました。
その後、49日間にわたって東尋坊の無念により、海は大荒れとなり、それからこの地が東尋坊といわれるようになったとのことです。
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国の天然記念物となった現在の東尋坊
東尋坊の岩は国の天然記念物に指定されています。
岩の名称は複輝石安山岩の柱状節理で、これだけ大きな規模の柱状節理の安山岩は日本でもここ一ヶ所だけ。
柱状節理世界三大絶勝の一つになっています。東尋坊の他には朝鮮半島の金剛山、遠くはスカンジナビア半島ノルウェーの西海岸があります。
東尋坊は、日本海の荒波が砕け、白波や飛び散る断崖絶壁が、世界的に有名です。波の浸食を受けて芸術的な岩が形成されています。海上からの岩壁の眺めも、一味違った素晴らしいものとなっています。