越前、福井県坂井市.三国漁港.季節の魚介類

越前ガニ(ズワイガニ)
福井.旬の季節.冬の味覚

越前蟹料理

冬の日本海は美味しい魚介類の宝庫。
とりわけ、カニは格別です。中でも福井県の三国漁港港で水揚げされる『越前がに』は、
全国的に知られる最高級品です。
老若男女問わずその味のファンは多く、1年に一度のご褒美とばかり、
美味しい『越前がに』を求めて福井県を訪れます。

毎年11月、日本海の冬の味覚の王様「越前がに」漁が解禁されます。

福井県の「三国港」,「越前港」,「敦賀港」,「小浜港」で水揚げされるズワイガニを「越前がに」と呼びます。 その歴史は古事記まで溯り、安土桃山時代にはすでに「越前蟹」の表記が見られます。

福井県沖は暖流と寒流がぶつかる潮境の豊かな漁場が近く、かにが新鮮なうちに港に帰ってくることが可能です。

福井県では越前がにのブランドを守るために、かに一杯毎に越前がにの証である黄色いタグを付けています。漁師が厳選したかにだけがお客様の口に入るのです。 越前がには、大正時代より皇室に献上されています。そのことからも、越前がにはズワイガニの中でも最上級と言えます。

福井県坂井市.三国漁港.甘エビ
旬の季節.春秋

三国漁港 甘エビお造り

「甘えび」は腹に青い粒状の子がある”子持ち“が最も高値になります。
越前がにや若狭ふぐとともに、福井県の冬の味覚を代表する逸品、三国漁港水揚げの「甘えび」は、
思わずうっとりしてしまうような艶やかな朱色をしています。

ひとたび口に入れるとほのかに感じる潮の香り、とろっとしたまろやかさと甘味が広がります。
何もかもが特有の味と食感です。海底がきれいな近海の
水深200m~500m付近の砂泥地で捕れたものは粘りや甘みが独特です。

鮮度の良し悪しは、体色によって見分けることができます。
透明度が高く、頭が黒っぽくないものが良質です。
また生きたままや水揚げしてすぐのものよりも、
一晩寝かしたほうが甘みが増し、よりおいしく食すことができるのだといいます。

甘えびは、甘くプリッとした食感を楽しむためには、一尾を丸ごと、刺身や寿司としていただくのが最適です。

また、家庭料理として昔からある甘エビの味噌汁は殻から甘く良質なダシがでて、味噌汁の風味がまろやかになります。

他にも、昆布でしめた「昆布じめ」として味わうのも、甘さはそのままに昆布の風味が加わり、保存状態がよくなることから、近年は人気が高まっています。

がさエビ
福井.旬の季節.春秋

三国漁港 がさえびお造り

越前がにと並んで人気の高い福井の三国漁港 「甘えび」。
その甘えびを狙う網の中に、まれに入る幻のエビ、
それがこの「がさえび/越前えび」です。

がさえびは、幻と呼ばれるだけあって、
漁獲高が極端に低く、甘えびの10分の1程度しかありません。

漁港でも、いっぱいに積まれた甘えびの箱の傍で、
ひっそりと並んでいるのが、がさえびとなっています。

しかし、その味わいは甘えびに勝るとも劣らないおいしさで、
地元三国では「がさえびのほうが旨い!」という人もいるほどです。

ぷりっと身がしまっていて味がよく、刺身や寿司、そのまま丸焼き(浜焼き)、天ぷら、フライなどで食される。
鮮度が落ちやすいため、市場にはあまり出回らず、主に地元で消費されることの多い希少なエビで、別名「幻のエビ」ともいわれる。水なしでも3日位生きるほど、生命力が強い。

福井.旬の鯵.5月~7月

三国漁港 あじのにぎり

日本の食卓にもっとも多く登場するアジ。クセの少ない淡白な味と深いうま味が万人向けで正に魚の基本形といえる魚で、
体に良い成分もバランス良く含まれている。

アジ(味)がよいために「鯵」になったといわれるほど、申し分のない味、
うま味があり、様々な料理でその味わいを楽しむことができる。
江戸時代に編纂された『本朝食艦』にも「味わいが甚だ香美で、最も炙食(やきもの)に良い。」
「どの品類より絶勝(すぐれて)いる。」などと記されて、その味の良さが絶賛されている。

福井.旬のホタルイカ.3月~5月

三国漁港 ホタルイカ

福井三国漁港 の鮮度の良いホタルイカは茹でても新鮮。
福井沖で水揚げされたホタルイカのボイルは、まるく太って胴にツヤがあり、
足も耳もくるん、と丸まっています。

外はプリプリ、中はトロリとした触感です。
これは福井沖が漁場に近く、定置網で産卵前の大きく育ったホタルイカを水揚げできるからです。
茹でたホタルイカは、まるまるっとそのまま頂けます。

三国漁港.旬のお造り
春夏秋冬、季節の鮮魚

三国漁港 旬のお造り20

日本海、対馬海流と玄達瀬が交わる越前沖。
福井三国漁港の春夏秋冬、三国漁港季節の獲れたての魚介類のお造り。
桜鯛、鰆、鯖、ハマチ、カマス、フグなどが水揚げされ、
三国港ではレンコ鯛赤ガレイ、甘鯛、甘海老、ガサ海老、
日本海でも一味違う越前三国の新鮮な海の幸が勢揃いします。

笹と葉欄

笹と寿し

すしの盛り込みや折詰などに江戸前ずしは笹、関西ずしには葉欄が使われます。

笹は古くから殺菌作用や断熱作用が知られていて、
すしにも使われるようになったと考えられています。

それと同時に、笹の緑がすしダネの彩りを一層引き立てることから欠かせないものになりました。

笹は切ってから時間が立つと萎れてくるので、
笹が萎れないうちにお召し上がりくださいという職人の心づかいも託されています。
それだけでなく、笹には飯粒や煮つめが他のすしにつかないように、
違う種類のタネがついて変色したりしないように、また折箱のにおいがついたりしないようになどの働きがあります。

葉欄はユリ科の植物で、古くから料理の盛りつけや下に敷くかい敷として用いられてきました。葉欄は笹と違って、時間がたっても縮れないので、時間をおいても味の変わらない関西ずしによく合っています。また、料理やすしを盛る器代わりにも使えます。

酢.伝統的な赤酢(粕酢)

越前酢

すしの基本となる味は米であり、
そのおいしさを支えているのが酢にほかなりません。

酢は魚の生臭みを消してくれるほか、酢のサク酸は人の気分を落ち着かせ、疲れを癒すのに有効に働くといわれています。

にぎりずしの誕生と時を同じくして生まれたのが粕酢です。粕酢は清酒の醸造時にできる酒粕を原料にした醸造酢。酒粕を長く熟成してから酢に発酵させたものほど酸味がまろやかで、香り、甘み、うま味などの風味があり,赤くなります。

これを赤酢と呼んでいます。すしに用いるとすし飯が赤くなりますが、コクのある風味がすしにはよく合います。

塩と砂糖

粗塩

すし飯の合わせ酢には、酢のほか塩や砂糖が使われます。

塩と砂糖は酢の酸味をやわらげる性質を持っており、酸味のバランスをとり、すし飯をおいしく感じさせます。しかも、すしダネの鮮度や風味の欠点もカバーしてくれて、すし飯のデンプンが老化してパサつくのを防ぐ効果もあります。

手塩にかけて作った手作りの塩、越前塩。

海水から作り出される自然塩・天然塩の中には、 輸入天日塩を 海水に溶かして再結晶化させたものと、 日本の海水から塩を結晶を析出させたものがあります。

その中でも「純国産自然海塩」と呼ばれるものは後者だけ。 半世紀ぶりに越前に復活した「越前塩」は、 日本海・越前海岸の澄みきった海水を原材料に使い、 約20%もの海の幸(天然ミネラル分)が含まれていますから、 一般的に市販されているイオン交換膜式による 高精製塩化ナトリウムにはない、天然ならではの ほんのり甘みがある優しい味わいが特徴です。

越前塩は数少ない「純国産自然海塩」のひとつです。 丹念な手作業だけの本物の自然海塩しか作りません。 化学的製法を一切使わず、あえて手間暇のかかる 太陽光と風と火力だけで作り上げる自然海塩だからこそ、 ミネラル分を損なわないまろやかな塩が誕生するのです。

わさび

わさび

「さびのきいた」といわれるようにすしにわさびはつきものです。

わさびの働きは、ツンとくる特有の辛みと香りで味覚を一時的に麻痺させて、魚の生臭みを感じさせないことにあります。

このわさびの辛み成分はすりおろして、空気に触れさせることで生じてきます。

そこで、目の細かいおろし金でゆっくりとすりおろし、十分に空気に触れさせる必要があります。 わさびには本わさびと粉わさびの2種類があり、生のわさびをすりおろしたものを「すりわさび」、粉わさびを練ったものを「練りわさび」と呼んで、区別しています。

ガリ

ガリ

ガリもわさびと並ぶすしには欠かせない薬味です。

わさびはその強い辛みの働きで瞬間的に人の味覚や嗅覚を麻痺させ、魚の生臭みを感じさせないようにしますが、臭みそのものは消してくれません。

これに対して、生姜を甘酢に漬けたガリは辛み成分であるジンゲロンやショーガオールなどが魚の生臭み成分と結びついて消してしまいます。

そのため、一つのすしから他のすしへと食べていく際に、ガリをつまむと前のすしの味を消し、口の中をさっぱりとさせてくれる口直し効果があるのです。また、生姜には細菌の繁殖を抑える効用もあります。

お茶

お茶

すし店ではお客様が席に着くと最初からお茶を出しますが、
これはすしを食べたあとに口の中に残る魚の味をお茶で洗い、
次のすしを新鮮に味わせるという目的からです。

また、すしは食塩を多く含むため、喉が渇きやすくなります。それを癒すためにもお茶が必要とされます。すし店の湯のみ茶碗が特に大きいのは、熱いお茶をたっぷりと注げるからです。

醤油

醤油

にぎりずしに添えられるつけ醤油は、魚の生臭みを消すのに非常に大きな役割を果たしています。

醤油特有の香気成分が不快な臭いを消してくれるほか、白身のような淡白なすしダネには味や風味にアクセントがつきます。

海苔

海苔

焼いた海苔の香りとツヤ、パリッとした歯ざわりの良さは、江戸前の巻ものの魅力の一つです。

海苔には多くの臭気成分が含まれており、焼くことによって特有の香りが生じます。

また、旨み成分も多く、だし材料に使われるカツオ節や昆布、椎茸に含まれているのと同じイノシン酸やグルタミン酸、グアニル酸が含まれています。さらに、血圧降下や動脈硬化症などにいいとされるタウリンも多く、これが海苔の香りの良さに大きく関わっています。

竹皮

寿し竹皮

関西ずしではサバの棒ずしなどを竹皮で包んで販売されます。

これは、味の馴れを待つ意味があります。馴れとはすしダネのうまみ成分がすし飯にじわじわとしみていくことで、別々の食べ味であるタネとすし飯が馴染んだ状態をさしています。

このときに大切なのが、できるだけ空気を遮断させ、すしの酸化を防ぐことです。その役目を果たしているのが竹皮であり、あるいは桶に詰めて密封するという作業です。

豊かな魚食文化
生活と密着した水産物

日本人なら誰しも、
魚が日本文化の中に溶け込んでい るとの印象を持っていることでしょう。
お正月のお節に も、小魚を煮付けた田作りや
昆布巻きなど水産物を使っ た総菜は不可欠です。

成人式や結婚式といったお祝いに は、
尾頭付きの鯛が供されます。幸福をもたらすとして
信仰されている七福神のうちタイを抱えた恵比寿様は、
現在、商売繁盛の象徴とされていま すが、
もともとは漁業者が大漁を祈願した漁業の神でした。

さらに、海や河川、湖は、食生活 だけではなく、
レクリエーションや自然との触れ合いの機会も提供してきました。
このよう に日本では、水産物が日々の生活と密着しており、
季節の節目に行われる儀式の中にも組み 込まれてきたのです。

日本の包丁
職人の技

魚を調理する際には、用途に応じて様々な包丁を使い分けています。
骨を切る時には出刃包丁を使い、
刺身はその切り口によって食べた時に感じる舌触りや旨味が異なるため、
その特徴を活かすように、
魚に応じた工夫が刺身包丁に施されています。

さらに魚を食べる際には、
魚の骨や皮をお箸できれいに取り除く、のりを一枚だけお箸で とるなど、
箸を上手に使う技術も自然と身につけてきました。
水産物の消費が拡大するにつれて、流通業も発達してきま した。

東京都中央卸売市場(築地市場)は、
江戸時代、幕府 に魚を納めた残りを漁師たちが
日本橋で売り始めたことが始 まりといわれています。
仲買人達はより良い魚を求めるため、
魚の鮮度を目の色で判断したり、
マグロの尾を切り落とし、
その断面の色や脂の溶け具合で品質鑑定を行い、
目利きの技 が発達しました。

こうして、仲買人やすし職人など水産物に関連した独特な
技術をもつ職業が発達しました。
我が国の魚食は、個別専門化した技術を持ったプロ集団が
それぞれの役割を果たすことで発達してきたのです。

酢飯

酢飯(すめし)は、主に江戸前寿司(早寿司)で使われる、酢と塩や砂糖などで調味した飯である。寿司飯(すしめし)とも呼ばれる。寿司屋でシャリ(寿司用語参照)と言った場合は、この酢飯のことを指す。

独特の風味があり、保存性に優れる特徴がある(酢や糖分には、冷めた飯が硬くなるのを防ぐ効果がある)。寿司種と同等以上に特徴や寿司職人の差が出る。

ご飯用ではなく寿司飯に向いた米を使用する事が多い。米は良く研いで、ご飯より水加減は少な目で炊飯する。そのようにして炊き上げた飯を寿司桶に移し、「寿司酢」(合わせ酢ともいい、酢と塩や砂糖などを合わせたもの)を回し掛けてから切り混ぜる(「シャリ切り」とも言う)。

酢は元々安価で独特の風味と旨みのある赤酢が主に用いられ糖類は加えられていなかったが、戦後の黄変米事件で色のある寿司飯が敬遠されるようになり、以降は白酢が主流になる一方で足りない風味とコクを砂糖で補うようになり、現在のレシピに至っている。

寿司酢を使用する際は、飯が熱いうちにあわせ酢を回しかけてから手早く切り混ぜる。寿司酢が飯全体に馴染んだ後うちわで扇いであら熱を取る。これは、余分な水分を湯気として飛ばし、熱によって酢の香味が失われないようにするためである。扇ぎながら混ぜると酢が飯粒の中まで浸透しにくくなり、酢飯が不味くなる。

混ぜる容器に木製のたらいのような形状をした「飯台(おひつ)」もしくは「半切」というものを使用するのもこのためである。ただし上記の方法だとご飯がベチャっとなりやすい。

切り混ぜる際はしゃもじを横方向にすばやく動かし、「切る」ようにしてムラ無く全体にあわせ酢をなじませる。うちわで風を送って充分に冷ましたあと、調理に用いる。

風の送り方はいわゆる職人の技となっており、また冷蔵庫などで常温以下に冷やすと飯がばらけて、美味しくない結果に陥る。なお、熱いまま、あるいは温かいままの酢飯は酢の匂いが強すぎて、香味というよりはむしろ鼻への刺激となるので、熱いままの酢飯を食膳にのぼらせない。

「あわせ酢」の混合比と、飯に対する配合比も、調理人の力量の見せ所であり、米の質によっても大きく影響を受ける。特に寿司の場合は寿司種の種類や状態によって職人の勘で調整する。寿司店でも各家庭でも特徴が違うのは、それら技量に基づく配分の違いによる。

一般家庭では、ご飯として通常に炊き上げた飯に混ぜ込むだけで酢飯ができあがる粉末状あるいは液状の調味料を利用する事がある。日本国外の寿司では、酸味と甘味のある酢飯の風味が好まれないことから、酢飯の酢は抑えられている。

はなはだしくは、酢をあわせていない飯やごま油をまぶした飯に魚や地元料理を乗せて「スシ」・「巻き寿司」と称する事もある。


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